Webライティングの案件では、基本的にクライアントと一対一でやり取りします。
そのため、他のライターがどれくらいの報酬でどんな記事を書いているのか知る機会はなかなかありません。
とはいえ……正直気になりますよね?
初心者ライターなら
と思うはずです。
このように悩んでいる方も多いでしょう。
私自身、昔はそう思っていました。
周りのレベルが分かると、自分の実力を客観的に把握できます。
私も、ある案件で他のライターが書いた記事を見てから、自分の実力を客観的に把握できるようになりました。
他のライターがどんな記事を書いているのかは、自分がクライアントになってみれば分かります。
とはいえ、この方法ではお金がかかってしまいますし、1記事や2記事書いてもらうだけではサンプルが足りません。
そこで今回、私が実際に仕事を発注して、どんな記事が集まったかを限定公開します。
企画概要
企画の概要は以下の通りです。
- クラウドワークスにて発注
- 3,000文字/文字単価1.0円
- 記事テーマは転職(キーワードは「転職 相談 上司」)
- 納期は構成案3日、記事執筆7日の計10日間
- 納品形式はWordファイル、画像は不要
集まった提案は40件ほど。
その中から以下の条件に合致する人を選びました。
- 提案文がしっかりしている初心者(以下Aさんとする)
- 実績が多く評価の高いライター(以下Bさんとする)
AさんとBさんについて、それぞれ解説していきます。
Aさん(提案文がしっかりしている初心者)について
Aさんはクラウドワークスで1件しか実績がない初心者でした。
提案文によるとランサーズでも活動しているとのことでしたが、そちらの実績も20件程度と少なめです。
提案文は非常にオリジナリティが高く、コピペだと感じさせる要素は一切ありませんでした。
特に良かったのが、記事テーマ(転職)についての実績をしっかりアピールできている点です。
実際に転職した経験が細かく語られており、飛び抜けて魅力的な提案文だと感じました。
納品までのやり取り
実際のやり取りをそのまま掲載するわけにはいかないので、大まかな雰囲気だけお伝えします。
実際に転職した経験もあります(提案文)
さっそく作業を進めさせていただきます
1日後(納期2日前)
よろしくご確認ください
この内容で問題ありませんので、記事執筆に進んでください
引き続きよろしくお願いします
今回は素の実力を見たかったので、どんな構成案が提出されても一発OKにしています。
1日後(納期8日前)
記事が完成しました
今回はどうもありがとうございました
また機会があればお声がけください
やり取りも納期も完璧でした。
理想的なコミュニケーションです。
納品された記事について
Aさんから納品された記事はこちら↓
残念ながら記事の質は低いです。
記事内容がテーマとブレていたり、冗長な表現が多かったり……。
このクオリティで文字単価1.0円の案件を受注し続けるのは正直難しいでしょう。
総評
Aさんには提案力・コミュニケーション力があるので、自分から提案して仕事を取るのは簡単だろうなと思います。
ただ、残念ながら記事の質が追いついていません。
このまま一人でWebライターを続けていても、なかなか稼げるようにはならないだろうなと感じました。
丁寧にフィードバックをしてくれるクライアントに出会えればいいんですが、クライアントからすれば他のライターを探した方が早いんですよね……。
Bさん(実績が多く評価の高いライター)について
Bさんは1,000件近くの実績があるプロクラウドワーカーです。
そんなBさんの提案文ですが、ほとんどコピペでした。
一応「転職」というキーワードは入っているものの、この部分を「健康」とか「教育」とかに変えても問題ないような内容です。
また、提示された実績も転職とはまったく関係ない記事でした。
普段の私なら絶対に採用しない提案です。
納品までのやり取り
2日後(納期1日前)
よろしくご確認ください
この内容で問題ありませんので、記事執筆に進んでください
8日後(納期当日、21時)
記事が完成しました(23時台に提出)
今回はどうもありがとうございました
あまりにコミュニケーションがなさすぎると感じました。
ハッキリ言って、このやり取りで良い印象を持つクライアントはいません。
納品された記事について
「Wordファイルで納品」と説明しているにも関わらず、Bさんはテキストファイルで記事を納品しました。
テキストファイルだからといって、こちらが何か大きな損をするわけではありません。
しかし、こうしたミスがあると、どうしても「この人はちゃんと説明を聞かない人だ」という印象が残ります。
メッセージのやり取りがひどかったこともあり、記事に目を通す前から「この人には継続で依頼したくないな」と思いました。
仕方ないので、今回はこちらでWordファイルに変更しておきました↓
構成はだいたいOKです。
とはいえ、文字数稼ぎや誤字・誤用が目立ちます。
特に文字数稼ぎが露骨だったので、正直印象はかなり悪いです。
総評
コミュニケーション力は下の下。
記事の質は中の下くらいだなと感じました。
このレベルでもプロクラウドワーカーや認定ランサーになることはできます。
ただ、満足に生活できるくらい稼げるかというと……。
とにかく数をこなさないと稼げないので、この実力で専業ライターになるのは正直かなりしんどいはずです。
Bさんの例から分かる通り、自分から提案しているライターは、実績が多くても優秀とは限りません。
文字単価1.5円以上の記事に求められるもの
記事の質と文字単価が比例するのは、せいぜい1.5円くらいまでです。
これ以上の案件では、問題なくコミュニケーションが取れているか、専門知識が必要かといった点が大事になります。
すでに「AさんやBさんより良い記事が書けるよ!」ということであれば、あなたには文字単価1.5円〜2.0円の案件に挑戦するだけの実力があります。
あとは継続案件を受注したり専門知識を身につけたりしていけば、月収20万円〜30万円くらいは簡単に届くはずです。