正しい交渉方法が分かっていれば、たとえ初心者であろうと報酬を上げていくのは難しくありません。
この記事では、私が実戦で学んできた具体的な単価交渉術を解説します。
単価交渉のテンプレ&成功率を高めるポイント
まずは単価交渉メッセージのテンプレートを紹介します。
(クライアントから次回の取引について相談された場合を想定)
引き続きのご依頼ありがとうございます。
現在お受けしている案件について、一つご相談があります。
急なお願いで申し訳ないのですが、次回の取引から報酬を上げていただけないでしょうか?
現状、他のクライアント様とは文字単価1.5円前後で取引しております。
つい先日、いくつかのクライアント様から、来月以降の執筆本数を増やせないかと打診がありました。
この打診を受け入れた場合、どうしても御社の案件については優先度を下げざるを得ません。
つきましては、以下のように報酬額を見直していただきたく存じます。
文字単価1.0円 → 文字単価1.5円
単価を上げていただければ、これまで通り御社との取引を優先いたします。
記事本数を増やして対応することもできますので、もしご希望であればお申し付けください。
恐れ入りますが、何卒ご検討いただけますと幸いです。
あなたの状況に合わせて自由にテンプレートをアレンジしてください。
意識してほしいのは以下の4点です。
- まずは要件を伝える
- 単価交渉の理由を説明する
- 希望単価を示す
- 単価交渉に応じるメリットを説明する
1.まずは要件を伝える
現在お受けしている案件について、一つご相談があります。
急なお願いで申し訳ないのですが、次回の取引から報酬を上げていただけないでしょうか?
長々とした前置きは不要です。
相手の時間を奪わないために、まずは要件を簡潔に伝えてください。
よっぽど乱暴な言い方じゃない限り、失礼だなんて思われませんよ
- 「御社の案件は割に合わないので、もっと報酬を上げてください」
- 「継続してほしいなら単価を上げてくれませんか?」
ビジネス的には相手の時間を奪う方がよっぽど失礼です。
単価交渉に限らず、メッセージを送るときは常に結論ファーストを心がけましょう。
2.単価交渉の理由を説明する
現状、他のクライアント様とは文字単価1.5円前後で取引しております。
つい先日、いくつかのクライアント様から、来月以降の執筆本数を増やせないかと打診がありました。
この打診を受け入れた場合、どうしても御社の案件については優先度を下げざるを得ません。
報酬アップはクライアントにとって嬉しくない提案です。
相手が損をする提案は、それなりの理由がなければ受け入れられません。
スムーズに納得してもらえるように「それなら仕方ないな」と思ってもらえる理由を用意してください。
単価交渉に使える理由をいくつか紹介しておきます。
- 他社からの依頼が増えている
- 受注している案件の平均単価が上がってきている
- 記事の質を高めるために時間がかかっている
3.希望単価を示す
つきましては、以下のように報酬額を見直していただきたく存じます。
文字単価1.0円 → 文字単価1.5円
単価交渉では、ライター側から希望単価を示すのが一般的です。
相手に判断を委ねることもできないわけではありませんが、そもそもクライアントは「できれば報酬を上げたくない」と思っています。
クライアント任せにするだけでは、あなたが期待するほどの報酬アップは望めません。
4.単価交渉に応じるメリットを説明する
単価を上げていただければ、これまで通り御社との取引を優先いたします。
記事本数を増やして対応することもできますので、もしご希望であればお申し付けください。
単価交渉に応じるメリットを用意しておくと、さらに成功率が上がります(必須ではありません)。
いくつか具体例を紹介しておきます。
単価を上げていただければ……
→記事本数を増やして対応することも可能です
→画像選定にも対応します
→ワードプレス入稿にも対応します
→文字装飾もこちらで請け負います
私のおすすめは「記事本数を増やせる」アピールです。
なぜなら、このアピールだけはライターにとっても得な提案だからです。
他の提案は切り札として取っておきましょう。
どういうことかというと……。
この場合、最初から画像選定だけで交渉するより成功率が上がります。
これは返報性の原理を利用した交渉テクニックです。
返報性の原理(法則)とは、人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用のことです。
単価交渉を仕掛けるタイミング
単価交渉はタイミングも大事です。
片っ端から単価交渉するばかりでは、報酬を上げるどころか取引先がなくなってしまいます。
交渉失敗で後悔したくないなら、以下3つのタイミングを狙ってください。
- 継続案件だけで十分仕事が回せているとき
- 追加の作業を頼まれたとき
- 取引が終わってもいいと思ったとき
継続案件だけで十分仕事が回せているとき
Webライターの収入は作業時間に比例するため、継続案件で仕事を回せるようになったあたりから収入が伸び悩みます。
このレベルに達しているなら、そろそろ単価交渉を始めてもいい頃合いです。
現在受注している案件の時給がどれくらいになるか計算し、一番低いところから交渉していきます。
イメージしやすいよう、5社のクライアントと取引しているケースについて考えてみましょう。
この場合、一番時給が低くなっているE社から交渉していきます。
希望単価は2番目に低いC社以上になるよう設定しましょう。
E社との単価交渉が終わった後は以下のように進めていきます。
詳しくは後ほど説明します
継続案件だけで仕事を回せていないなら、積極的に単価交渉を仕掛けるのはまだ早いです。
なかなか継続されないと悩んでいる方は↓の記事をどうぞ。
追加の作業を頼まれたとき
作業が増えるなら報酬も増えて当然です。
追加の指示をそのまま受け入れるのではなく、思い切って交渉してみてください。
画像選定もこちらで請け負うことになると、これに伴い作業時間が増えてしまいます。
つきましては画像1枚につき〇円(税別)を報酬に加えていただければと思うのですが、いかがでしょうか?
ただ、実際にやってみて時間がかかりすぎる場合、また報酬について相談させていただくかもしれません。
思っていたより時間がかからない場合は値下げもいたします。
恐れ入りますが、何卒ご検討いただけますと幸いです。
取引が終わってもいいと思ったとき
もう断っちゃおう
と思ったときにダメ元で交渉するパターンです。
どうせ断るつもりなら、交渉決裂になってもダメージはないわけですからね。
単価交渉に失敗する原因
単価交渉に失敗する原因は以下の3つです。
- 能力不足
- 信用不足
- 予算不足
1.能力不足
「この人には報酬以上の働きをしてもらっている」と思われていなければ、単価交渉は確実に失敗します。
私たちが商品やサービスを購入するときと考え方は同じです。
例えば、カップラーメンを買おうと思ったとき、普通は「1,000円払ってでも欲しい!」なんて思いませんよね。
しかし、他に代えがたいお気に入りの商品が値上げするとなったらどうでしょう?
「多少の値上げは仕方ないか」と思うはずです。
単価交渉をする前に、まずはあなた自身がクライアントのお気に入りになりましょう。
手放したくないライターだと思われていれば、単価交渉はかなり高い確率で成功します。
前提として覚えておいてほしいのが、クラウドソーシングにいるライターは玉石混交だということです。
真面目に執筆するライターもたくさんいますが、その一方で納期を破ったりコピペをしたりといったライターも決して珍しくありません。
公開されている案件の単価が異常に低いのも、これが一つの要因になっています。
逆にいうと、継続で依頼されているライターは少なくとも問題のあるライターだとは思われていないわけです。
これだけで文字単価1.0〜1.5円くらいになるよう交渉する余地があります。
また、クライアントからつけられた評価コメントも参考になります。
ただ「ありがとうございました」と書かれるだけでなく、具体的な褒め言葉も書かれていれば、クライアントの期待を十分上回る働きができているといえます。
以下のような評価コメントをもらえている方であれば、文字単価1.5〜2.0円くらいはすぐにOKが出るはずです。
2.信用不足
継続での取引が決まったからといって、すぐに単価交渉をしても上手くいきません。
もちろん、2回目からすぐに単価を上げてくれるクライアントもいます。
しかし、1回の取引で信頼関係を構築するのはなかなか難しいことです。
クライアントからすれば、2回目の取引で適当な仕事をされる可能性も十分考えられます。
単価交渉におすすめなのは、3回目の取引が終わったタイミングです。
というのも、人は期待以上の価値を3回連続で提供されると、相手を無条件に信じてしまうといわれているからです。
神田さんの本はWebライターにとっても勉強になりますよ
3.予算不足
クライアントから絶大な信頼を得ていたとしても、予算の問題はどうしようもありません。
こればかりは実際に交渉してみるしかないでしょう。
あくまで個人的な意見ではありますが、以下のような案件では単価が上がりにくいと感じます。
- 最初から単価がかなり低い案件(目安は文字単価0.5円未満)
- 執筆マニュアルが厳しすぎる案件
- 複数のライターをまとめて管理している案件
単価交渉に失敗した後の付き合い方
必ずしも「交渉決裂=お別れ」とは限りません。
例えば「今後は文字単価1.5円以上の案件に絞って受注させていただくことにしました」と説明していた場合、現在の報酬が文字単価1.5円以下だと取引が終わってしまいます。
しかし「今の単価では、どうしても他社さんとの取引が優先になってしまいます」と交渉していれば、本数を減らしつつ継続しても不自然ではありませんよね。
単価交渉せずにWebライターとして稼ぐのは難しい
Webライターの収入は記事本数×単価で決まります。
単価交渉せずに収入を伸ばそうと思ったら、とにかく記事本数を増やすしかありません。
ただ、作業できる時間には限界があります。
とにかく量を増やす戦略では、どうしても記事の質を保てません。
質が上がらなければ単価も上がらないため、いつまで経っても収入が伸びないわけです。
一方で、単価を上げていけば1記事にかけられる時間が増え、スキルも収入もグッと伸びます。
待っているだけでは効率が悪い
時にはクライアントから報酬アップの提案が来ることもあります。
とはいえ、すべてのクライアントが勝手に報酬を上げてくれるわけではありません。
稼げるWebライターになりたいなら、やはり積極的な単価交渉は必要不可欠です。
さいごに
当サイト「山田ユウキのWebライター講座」は、Webライターの情報に特化した専門サイトです。
他にもWebライターに関する記事を多数用意していますので、ぜひ他のページも見ていってください。
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